小林誠司がCSで警戒する阪神の選手「対戦の際に気持ちが熱くなる」 (3ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Sankei Visual

――リーグ優勝を決めた数日後には、阿部慎之助選手が現役引退を発表しました。それを聞いた時に何を思いましたか?

「すごく驚きましたし、信じられませんでした。(9月27日の)東京ドームでの引退記念試合のホームランを見ても、まだまだ現役でやれるのに、と思いましたよ(笑)」

――小林選手にとっては、ドラフト1位で巨人に入団したキャッチャーの先輩でもありますが、阿部さんはどんな存在でしたか?

「同じドラ1捕手として、ルーキー時代から阿部さんと比較されることが多かったですね。それはつらかったというか......阿部さんが偉大すぎる方なので、比較される選手に見合うような選手になれない申し訳なさがありました。

 阿部さんには、毎年キャッチャーとしてのアドバイスをたくさんいただきました。捕球の時の構えや、リードなどもそうですね。よく覚えているのは、『自分を苦しめるようなリードをしないように』ということ。僕が、投手の得意のボールやインコース攻めにこだわりすぎている時に、それを生かすためにもいろんなボール、コースを使わないといけないと言っていただいたことを、今でも意識しています」

――そんな小林選手が目指すキャッチャー像とは?

「"勝てる捕手"ですね。理想は自分のチームのピッチャーが無失点で勝つことですが、たとえ10-9で辛勝した試合でも『勝ちは勝ち』とプラスに考える。苦しい時に我慢できるキャッチャーを目指したいです」

――CSファイナルステージでも、どんな形でも勝つことが必要になると思います。あらためて、意気込みを聞かせてください。

「僕がマスクを被る試合でも、そうでなくてもチーム全体の力で勝っていきたいです。そして日本シリーズに進み、日本一になって阿部さんを送り出したい。今の僕があるのは阿部さんあってこそですし、長く巨人を支えてきた大先輩のためにも、最高の形でシーズンを締めくくりたいです」

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