楽天は佐々木朗希を指名すべき。2位以降は「2枚看板の解釈」で変わる (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 今年なら宇草孔基(法政大)という、走れて、長打力もあって、ここ2年間で体も飛躍的に大きくなった伸び盛りの外野手がいる。1年目からレギュラーを狙えるセンスのよさ、体の強さを持っている。

 宇草が入ることで、外野はレギュラー争いが激化するだろうし、そのなかでひとりでも確固たる地位を築けば、楽天の野球も間違いなく変わってくるはずだ。

 逆に、"2枚看板"に不安があるなら、勝てる投手がほしい。

 則本はまだ28歳だが、とにかく投げてきた。しかも体を目一杯使って投げる"力投型"で、勤続疲労は明らかだ。今年の離脱がいいリフレッシュになっていればいいが、そこに関しては未知数だ。

 一方の岸は、現在34歳。年齢的にはまだまだやってもらわないと困るが、全盛期ほどのボールの勢いはない。

 彼らの実力と実績なら最低でも2ケタはクリアしてほしいが、「絶対に大丈夫」と言い切れないところに一抹の不安がある。

 そこでイチオシなのが、吉田大喜(日体大)だ。とにかく大崩れしない。そういう意味では、昨年の日体大の絶対的エース・松本航(西武)に似ている。145キロ前後のストレートが低めに決まり、スライダー、チェンジアップ、スプリットと球種も豊富で、変化球でカウントをつくれるのがいい。マウンド上では常に冷静で、淡々とアウトを積み重ねる。プロの配球とストライクゾーンに慣れてくれば、間違いなく1年目からローテーションに入れる逸材だ。

 吉田が残っていなければ、サイドスローから力強いボールを投げる津森宥紀(東北福祉大)や、ピンチにもまったく動じない強心臓の大西広樹(大阪商業大)も面白い存在だ。

 今年、ファームはイースタンで優勝を飾るなど、若い選手も着々と力をつけている。こういう時だからこそ、一気に戦力に厚みを出したいところだ。

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