井端弘和が効率の悪い中日打線に喝「漠然と打席に入るのが一番ダメ」 (4ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

──打撃陣全体の課題はどこにあるでしょうか。

「効率よく点が取れていないことに尽きます。捕手以外は打率が高い選手が揃っているわりに、得点数は少ない(5月23日時点でリーグ最下位の152得点)ですよね。ゲッツーの後にまたヒットが出るといったことも散見されます。例えば、ノーアウトでランナーが出たら『必ず1点をもぎ取るぞ!』という意識がチームに浸透するだけでも、改善されてくるのかなと思います。そういった意識があれば、打者も創意工夫をするようになるでしょうから」

──井端さんは現役時代にどんな工夫をされていたんですか?

「『この投手は変化球が打ちやすい』と感じた時に、ランナーがいない時の打席であえて真っ直ぐだけを待って布石を打ち、チャンスの場面で変化球を投げさせるといった駆け引きはしていました。また、最近の捕手は、前の打者にヒットを打たれたボールとは違う球種を次のバッターの初球で投げさせる傾向があるので、そこを狙ってもいい。そういうことを考えている打者は、相手バッテリーも怖いと思いますよ。

 意図があって思いきり振った結果が凡打になっても、それは大きな問題ではありません。一番ダメなのは、漠然と打席に入り、来た球を何気なく打ってしまうこと。そのような場面が減って打線につながりが生まれれば、自然とAクラスが見えてくるはずです」

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