井端弘和が好調な巨人打線を考察。丸が広島戦で打てない理由も説いた (2ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

―― 一方で、ここまでの誤算は?

「中継ぎ投手陣です。原(辰徳)監督は開幕から、大江(竜聖)や坂本(工宜)といった"新顔"も積極的に起用しました。昨年までベンチにいた私も『ここまで顔ぶれが変わるのか』と驚きましたよ。そのなかの数名が結果を残すことで投手陣を活性化させようと考えていたと思いますが、ここまでは期待通りにいっていない印象があります。

 唯一、目途が立ったのは中川(皓太)でしょうか。中川は2016年から一軍でも投げていますが、今シーズンは投球フォームをサイドスロー気味に変えて、無駄な力みがなくなりました。特にスライダーの曲がり幅が大きくなっているので、打者はタイミングが取りづらくなったと思います。結果を残せず二軍に落ちてしまった大江や坂本は、自分に何が足りなかったかを考えて、そこを強化して一軍に戻ってきてもらいたいです」

――新守護神の(ライアン・)クック投手についてはいかがですか?

「オープン戦に比べるとスピードが出ていますし、コントロールも安定してきました。昨年まで抑えを担っていた(アルキメデス・)カミネロは、登板してみないと調子の良し悪しがわからない投手でしたから(苦笑)、その点はクックのほうが信頼できますね。あとは、僅差の場面でどれだけ力を発揮できるか。4月17日の広島戦では、2点差を守りきれずに初の救援失敗となりましたが、真価が問われるのはまだ先になります」

――先発陣についてはいかがでしょうか。

「菅野(智之)と山口(俊)は勝ちが計算できますし、(クリストファー・)メルセデスとドラフト1位の高橋(優貴)はゲームが作れているので、まずまずだと思います。3年目の畠(世周)に対する期待も大きかったと思いますが、3試合に先発して13失点で二軍降格になり残念です。新人のときと比べて球速が出ていないのが気になりますね」

――先発ローテーションを磐石にするために、井端さんが期待している投手はいますか?

「実績十分の田口(麗斗)です。彼の生命線は"インコースの真っ直ぐ"なので、そこに投げ切れるようになれば一軍に上がってくるでしょう。昨年は、彼に対して『太りすぎ』と指摘する声をよく耳にしましたが、周囲の意見を気にする必要はありません。体重が増えたことで球威が増す投手もいますし、それで『動きづらい』と思ったなら体を絞ればいいだけのこと。実際に、今シーズンに向けて田口は体重を落としました。今後も自分の体とよく会話をしながら調整を続けてもらいたいです」

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る