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DeNA大和として初甲子園。景色や声援の違いに不安と期待が交差した (2ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

――今年はその阪神を離れてDeNAでプレーしました。12年間を過ごした古巣の本拠地、甲子園で迎えた初戦の感想は?

「三塁側のベンチから見る甲子園は、やっぱり違うなと思いましたね。期待と不安が交差する中で8回にヒットを打つことができましたが、声援の量は段違い(笑)。今の自分はDeNAの選手で、『これはビジターの試合なんだなぁ』と実感しました」

――やはり阪神戦には特別な意識がありますか?

「そうですね。他のチームと対戦する時よりも気持ちが昂(たかぶ)ります。阪神戦で結果を出すことが"恩返し"になると思ってプレーしています」

――入団時のラミレス監督の言葉にもあったように、ショートの守備に悩んでいたDeNAの"救世主"として期待も大きかったと思います。今年の守備について自分ではどう評価していますか?

「張り替えが行なわれた横浜スタジアムの人工芝に慣れるまでの時間がかかってしまいました。阪神時代のイメージが頭から離れず、『来る!』と思ったボールが手元まで届かないということがありましたね。ケガにより途中で離脱してしまったことも悔しいです。試合に出続ける難しさをあらためて学びました。反省ばかりですみません(苦笑)」

―― 一方の打撃面では、1番、2番、9番など多くの打順を任されました。もっとも自分に合っていると感じた打順はありましたか?

「打順が下位のほうが準備するうえで気持ち的には楽ですが、上位の打順はやりがいがありますし......。自分に合った打順というのは考えたことはないですね。とにかく試合に出ることが最優先だったので、こだわりはありません。任された打順でベストを尽くすだけです」

――ラミレス監督はファーストストライクから打っていく方針を掲げていましたが、"粘れる打者"である大和選手にも早打ちの指示はあったのでしょうか。

「もちろん僕にも『初球から甘い球が来たらいけ』という指示はありました。それでも待つべき時は待って有利なカウントを作ろうとしていましたし、ケースバイケースでしたね」

――長打率はキャリアハイの.335を記録しましたが、阪神時代と打撃面で変わったことは? 

「反対方向に打つ意識を持ったことが大きかったですね。今までは外野の頭を越えることなんてイメージしていませんでしたが、コーチの助言や選手間のやり取りから意識が変わりました。(2017年シーズンから左打席にも入っていたが)途中から右打席に専念したことも、集中力のアップにつながったと思います」

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