戦力外にも逸材がゴロゴロ。ソフトバンク出身は活躍する、は本当か (2ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 繁昌良司●写真 photo by Hanjo Ryoji

 普通に考えれば、デニス・サファテ、岩嵜翔のブルペン2枚看板が開幕早々に離脱した時点で"白旗"でも別に不思議ではない。それくらい重要なポジションなのに、すぐにとって代わる選手が現れるのがソフトバンクだ。

 5年目の加治屋蓮が72試合に登板して穴を埋めてみせた。もちろん、登板を重ねるなかでの大きな成長もあったが、もともとファームにいた頃から150キロ近い速球と、140キロ代の高速フォークを操り、大器の片鱗をのぞかせていた。

 野手でも8年目の牧原大成が後半戦にブレイクし、一時は打率3割台後半をマーク。牧原も4年前のウエスタン・リーグでシーズン最多安打(当時)となる120安打を放ち、首位打者と最多安打の二冠に輝いた実績があった。

 ソフトバンクのファームは逸材揃い──球界関係者のなかではよく知られた話だ。それはソフトバンクから他球団に移籍して花開いた好例がいくつもあることからもわかる。

亀澤恭平(中日)

ソフトバンク時代/一軍実績なし

中日移籍後/374試合/打率.272、2本塁打、38打点、25盗塁

 2011年育成ドラフト2位でソフトバンクに入団。3年間育成選手のまま、球界のルールに従い自由契約に。ソフトバンクも再契約を行なう意向だったが、中日が支配下での獲得を打診して悩んだ末に移籍。

 中日では初年度から開幕一軍入りし、俊足好打に加え、明るいキャラでベンチを盛り上げている。今季は110試合に出場し、打率.286、8打点、5盗塁だった。

立岡宗一郎(巨人)

 ソフトバンク時代/1試合、打席なし

巨人移籍後/294試合、打率.251、2本塁打、45打点、34盗塁

 2009年ドラフト2位で熊本・鎮西高校からソフトバンクに入団。"秋山幸二2世"と呼び声が高かったが、一軍機会はほとんどなかった。4年目のシーズン途中にトレードで巨人に移籍。

 ソフトバンク時代は"右打ちの外野手"だったが、巨人では"左打ちの内野手"としてチャンスをつかんだ。2015年には91試合に出場し、打率.30414打点、16盗塁と活躍。近年は再び外野に専念している。

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