広島1強を止めるセのドラフト戦略。中日は根尾を捕手で獲得すべき!? (5ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

●東京ヤクルトスワローズ

 どれだけの人が、今年のヤクルトの健闘を予想したのだろうか。老いも若きも持てる力を発揮し、とりわけベテランたちの奮闘には心から拍手を送りたい。

 野手は青木宣親(36歳)、畠山和洋(36歳)、坂口智隆(34歳)、雄平(34歳)、大引啓次(34歳)、投手は石川雅規(38歳)、近藤一樹(35歳)......また新守護神としてチームを支えた石山泰稚(たいち)だって来年は31歳になる。

 たしかに、今シーズンは大健闘したが、この戦力でこの成績を残すのは至難の業だ。もちろん、首脳陣だってそこはわかっている。西浦直亨、廣岡大志に経験を積ませ、シーズン終盤にはルーキーの村上宗隆を一軍に抜擢。プロ初打席でホームランの偉業を成し遂げた。おそらく来年は、今年以上に出場機会は増えるだろうし、レギュラー奪取の期待もかかる。

 そうなると、補強するのはやはり投手だ。まずは松本航(日本体育大/右投右打)。最速155キロのストレートに多彩な変化球。調子が悪くてもそれなりに試合をつくれるセンスのよさ。1年目からローテーションでバリバリ投げてくれそうな予感がする。

 この松本を1位で外したら渡邉勇太朗(浦和学院/右投右打)。190センチの大型投手ながら、ボディバランスとコントロールのよさは秀逸。投手としての完成度が高く、1年目から一軍で使えるだけの能力を秘めている。

 このほかには、145キロ前後のストレートとタテの変化球を低めに集められる温水賀一(ぬくみず・かい/大阪ガス/右投右打)。同じタイプの岡野祐一郎(東芝/右投右打)もヤクルトのチームカラーに合うような気がする。

 さらに3位以下で、万波中正(横浜/右投右打)、森下翔太(東海大相模/右投右打)といった長打力のある外野手を獲得して、数年後に向けてじっくり育成しておきたい。

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