パ・リーグ6球団のいま本当にほしいドラフト候補は、この選手たちだ (5ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

●福岡ソフトバンクホークス

 昨年までこれといった活躍のなかった加治屋蓮が、今季は中継ぎの一角としてここまで66試合に登板するなど急成長。「さすがホークス......」と感心していたが、実は意外なことを発見した。

 加治屋と今季ストッパーとして活躍する森唯斗を獲得した2013年のドラフトはよかったとして、2014年以降、ソフトバンクは20人の選手を獲得(育成ドラフトは省く)したが、一軍の戦力になっている選手がひとりもいないのだ。

 その結果、一軍メンバーの"高齢化"は急激に進んでおり、とくに野手は現在26歳の牧原大成より年下なのは、上林誠知(23歳)だけという状態だ。チームの絶対的存在である柳田悠岐も今年30歳。今のうちに後継者を見つけておきたい。

 柳田のようにズバ抜けた身体能力を持つ選手は毎年のようにいるわけではないが、今年は辰己涼介(立命館大/右投左打)がいる。今年春のリーグ戦で打率.429、2本塁打、7打点でMVPを獲得。国際経験でも結果を残しており、柳田の後継者としてうってつけの人材だ。

 内野手なら、三菱自動車岡崎の二塁手・山野辺翔(やまのべ・かける/右投右打)を推したい。実戦力の高さとスピードに定評があり、身長170センチと小柄ながら一発の魅力もある。

 さらに数年先のチーム構成を考えれば、高校生野手にも目を向けたい。昨年夏から甲子園で活躍している林晃汰(智弁和歌山/右投左打)、投手ながら非凡なバッティングセンスが光る勝又温史(あつし/日大鶴ヶ丘/右投左打)、高校通算57本塁打の森下翔太(東海大相模/右投右打)らの名前が浮かぶ。

 また松田宣浩の後釜には、王貞治球団会長の後輩にあたる野村大樹(早稲田実業/右投右打)を指名するという手もある。いずれにしても、今年のドラフトは野手中心に獲得したいところだ。

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