「ムラタはどうしてる?」イタリアで遭遇した、元横浜の助っ人も心配 (2ページ目)

  • 阿佐智●文・写真 text&photo by Asa Satoshi

 翌2011年はメキシコで開幕を迎えるも、シーズン途中でロッテに入団し4番を務めた。しかし打率.269、5本塁打と振るわず、この年限りで退団。その後は、夏はメキシコ、冬は故郷のベネズエラでプレーを続けていた。

 昨シーズンもメキシコでプレーしていたが、出場機会に恵まれず、シーズン途中にトレードも経験。結局、メキシカンリーグでは37安打しか放てなかった。それでもメジャーリーガーが多数参加するウインターリーグでは、二塁のレギュラーとして打率.332をマーク。だが、今年の春、どこからもオファーがなかった。

 そこで選んだのがイタリアだった。イタリアの野球関係者は「このリーグにはいろんなヤツが流れてくるよ」と言うが、その言葉通り、ほかでプレー先のない選手が多数在籍している。

「どうしてイタリアまで来たのかって? まだまだやれるからさ」

 メジャーという野球の頂点を極めた選手が、日本円にして月給数十万円の、しかも球場内にある一室に住み込んでまで野球を続ける理由がわからなかった。しかし、彼の答えは実にシンプルだった。実際、36歳の今も華麗なグラブさばきは健在。まだまだ現役として十分にプレーできることを見せつけている。

 カスティーヨにとってイタリアは、7カ国目のプレー先となる。ちなみに、いま在籍しているパルマは自身20チーム目。これだけ多くのチームでプレーしたならば、半シーズンしかいなかったロッテのチーム名を思い出せなかったのも頷ける。

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