2000本安打の偉業の陰で、阿部慎之助はライバルのエースも育てた (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

―― ふたりの対戦成績は、2005年からの数字を見ると、102打数34安打、打率.333、9本塁打となっています。

「めちゃくちゃ打たれているじゃないですか(笑)学生のときもよく打たれましたし......。本当に抑えるのに必死というか、何を投げても打たれる印象で、打ち損じ待ちのときも多かったですね。阿部さんを抑えるためにインコースに投げきる練習をしたり、変化球を磨いたりしまたが、打つ技術がすごい。キャッチャーなので"読み"も鋭く、その"駆け引き"は対戦していて面白いというか、勉強になりました。いずれにしても、僕が言うのもおこがましいのですが、数字が示す通りの強打者です」

―― 打たれているとはいえ、年度別で見ると抑えているシーズンも多々あります。

「先程も言いましたが、阿部さんを抑えないとプロの世界でメシを食っていけないと思っていましたので......シーズンはなんとか抑えようと頑張りますし、対戦が長く続くと傾向も出てきます。偉大な選手とアマチュアのときから対戦し、全日本では同じチームとして近くでプレーできた。それにプロ入り後も同じリーグで10年以上も対戦できたことも嬉しいことですよね。阿部さんにはヒットやホームランを献上していますけど、僕自身、そのことで成長できた部分は間違いなくあると思います」

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