藤浪の盟友「大阪桐蔭の人気者サワちゃん」がオリックスで猛アピール (5ページ目)

　澤田の長所について、西谷監督はゲームでの強さと実戦力という２点を強調した。

「ランナーを背負ってからの粘り強さは別格です。精神的にも肉体的にもタフで、こういう選手がチームにいてくれると本当にありがたい。プロのような長いシーズンを戦う上で、必ず澤田の力が必要になるときがあるはずです。緊急事態にも対応できますし」

　春夏連覇がかかった高校３年の夏、こんな出来事があった。大阪大会決勝の履正社戦で大阪桐蔭は序盤から打線が爆発し、６回を終え10対１と大量リードしていた。ところが７回に履正社が怒涛の追い上げをみせ、10対６となり、なおも満塁の場面で藤浪を救援したのが澤田だった。直後にタイムリーを浴びてしまい２点差まで詰め寄られたが、そこから圧巻の投球で相手の勢いを止め、チームを勝利へと導いた。

「『次のバッターが出たら行くぞ』と澤田に伝えていたのに、そのバッターが出たにも関わらず、『もうちょっと待ってくれ』と。その次の打者が出ても、『もうひとりだけ』と言って、交代のタイミングを逸してしまった。澤田は行く気満々で準備していたのに、引っ張りに引っ張ってしまって......。いよいよアカンとなったところで、『すまん、行ってくれ！』と。本当に澤田には悪いことをしましたし、僕の完全なミス。澤田に助けられました。あのときは、ここを藤浪が乗り切らないと甲子園では勝てない、という意識があったんです。振り返ると、僕にとって澤田はお守りみたいな存在だったと思います。どこかで藤浪がダメでも大丈夫という思いがありましたから」