WBCで負け続ける中国が「海外7人組」を呼んで狙う日本からの1勝 (3ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Getty Images

 その筆頭が、ブルース・チェンだ。メジャー通算17年で11チームを渡り歩いた左腕。第1回WBC(2006年)、第2回WBC(2009年)には、国籍のあるパナマ代表として参加した。今回、ようやく自身が希望する中国での代表入りだという。

 今年40歳になる左腕は、すでに2015年に現役引退しており、どこまで投げられるのかわからなかった。それでもマクラーレン監督は招いた。

 韓国リーグ(Ktウィズ)でプレーする周権(投手/21歳)も、一度は代表入りを辞退したものの、所属のKtがアリゾナでキャンプを張っていると知ると、ロースター期限ギリギリの2月初旬、監督自ら訪れて再度、参加を要請し、了承を取りつけたという。ほかにもチャン・レイ(内野手)は第1回大会から参加する34歳のベテランマイナーリーガー。と巨人三軍戦では3番を打っていた。

 シュ・グイウェン(21歳)は中国生まれで、国内に創設されたMLBアカデミーから初となる代表選手。現在はオリオールズ傘下のルーキーリーグで研鑽に励んでいる内野手だ。こうした合計7名の"海外組"が中国チームのレベルアップのために招かれた。

 中国の野球には、リーグ化される以前からMLBが業務提携の形で食い込んでいる。その関係からWBCではすべての大会でアメリカ人監督が指揮を執ってきた。第1回は元ロッテのジム・ラフィーバー。第2回は元オリックス監督のテリー・コリンズ。2度目の監督を務めるマクラーレン監督とすれば、あるいはMLB側から中国チームの勝利を強く求められていても不思議はない。

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