亡命で戦力ダウン。WBCの「小粒なキューバ」は本当に怖くないのか (3ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Getty Images

 投手に目を移せば、こちらも150キロ超の直球で押せる投手は見あたらない。36歳のトレス、34歳のバニョスらが先発陣としてチームを引っ張る役目だが、いずれも台湾、韓国に来てからの登板でも球速は140キロ後半止まり。球を動かす技巧派ばかりだ。

 また小刻みな継投はキューバの持ち味でもあったが、現在は、かつてのように「後ろの投手ほどすごい」という顔ぶれでもない。日本が本来の実力を発揮できれば、決して恐れる相手ではないだろう。

 ただ、そのためにはなにより先取点を奪い、リードする展開が必須条件となる。後手に回れば、彼らは乗ってくる。そうなると前述のように、長打はなくとも連打と足を絡ませた攻撃で攻め立ててくる。キューバ勢いづいてしまったら、はたして今大会のジャパンに、それを食い止め、押し返せるだけのチーム力があるのかどうか。

 むしろキューバとの試合は、日本とすれば相手以上に自らと戦う、そんな初戦となるのかもしれない。

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