中田翔、札幌ドームで3本からの脱却。「打ちたいよね、40本」 (3ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 中田の言うことは理解できるが、もしこれが本音だとすれば寂しさを感じずにはいられない。中田を高校時代から見続けてきた者からすれば、すごい相手に向かっていってこそ"中田翔"という思いがあるからだ。だからこそ、大谷がいる間に中田の力を見せつけてほしいと願うのだ。大谷は近い将来、メジャーに挑戦すると言われており、早ければ今オフの可能性もささやかれている。

「いる間に、とは思うけど......ただやっぱりオレは翔平がどうというより、自分自身で驚くぐらいの成績を出したい。この気持ちは毎年あるし、それがなくなったら野球をやめるときと思っているけど、今年は特に結果にこだわりたいよね」

 となれば、やはり期待したいのが、中田の代名詞でもあるホームランだ。昨年、打点王のタイトルを獲得した中田だが、ホームランは25本。中田への期待を思えば、物足りない数字だ。このことについて、思うところがある。

 たとえば、リーグは違うが、昨年44本塁打の筒香と、38本塁打の山田哲人の内訳を調べてみた。すると、筒香はホームで26本、ビジターで18本。山田はホームで22本、ビジターで16本を記録している。これが中田になると、ホームで8本、ビジターで17本。さらに詳しく見ると、ホームでの8本のうち札幌ドームに限れば58試合でわずか3本しか打っていないのだ。

 本拠地での本数の差がそのままシーズン本塁打数の差となり、中田への物足りない印象にもつながっている。チーム、本拠地を選べないのはプロ野球選手の宿命だが、ホームラン打者として本拠地での3本という数字をどう捉えているのか。

「ホント、札幌ドームは入んないよ」

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