大谷翔平ロングインタビュー。届かなかったWBC、無念の思いを激白 (6ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Sportiva

── 思えば去年のクリスマスのとき、サンタクロースにお願いするとしたら何が欲しいかと訊いたら、「時間が欲しい」と答えてました。

「サンタクロース、(時間を)くれなかったですね。刻々と、ここまできちゃいました」

── 野球の神様の存在を信じている大谷選手ですが、このタイミングでのケガは、何のための試練だと受け止めていますか?

「いやぁ、ちょっとまだ、そんなふうには思えないですね。4年に1度の大会だっただけに、(気持ちを整理するのは)難しいものがあります」

── 高校時代もケガで投げられなかった時期があって、今もそうですけど、それは大谷選手の中では、立ち止まっている感じなのか、長い野球人生の中で三歩進むための二歩だという感じなのか、どちらですか。

「ムダな練習はない、ということと同じじゃないですか。練習って、それがよくない練習法だったとしても、のちの自分にすごく生きてくるということがあるんです。だとしたら結果的にその練習は失敗じゃないし、ムダなことではなかったという捉え方がある。ケガをするのは決していいことではありませんけど、プレーに対してより考えるようになったり、プレーに深みが出てくるということもあるかもしれません。ですから、もしかしたらいいほうに転んでくれる要素がそこにあるかもしれない。今はどちらとも言えませんし、そんなのケガした人がいいように捉えているだけだと言われたらそれまでなんですけど、少なくとも自分でそうやって捉えるのは大事なことだと思っています」

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