プロ野球トライアウトに現れた「左腕ナックルボーラー」は何者なんだ? (5ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami shirt
  • 祐實知明●写真 photo by Sukezane Tomoaki

 トライアウト後の植松の表情が吹っ切れた気持ちを物語っていた。

「めちゃくちゃ楽しかったです」

 満面の笑みを浮かべそう言うと、今回は投げ切ったナックルについても「スピードは今日は110キロ台でしたけど、僕のナックルは結構速めで120キロ台になる。逆にもっと遅く投げることもできるし、もっと厄介な感じになります」

 さらにストレートについても、「現役時代ほどトレーニングをやってないなかで今日は134キロですけど、もう1回きっちり鍛えれば、もっと出る感覚はあります。体もどこも悪くないですし」

 そして植松は力強くこう語った。

「もう1回現役で勝負したい。ナックルも極めて勝負したい」

 日本の野球にナックルが馴染みにくいことは誰より承知しているが、今月末には27歳になるサウスポーは、この「魔球」に夢を託そうとしている。ゆらり、ふわりと揺れながら、植松優友の投手人生はどこへ行きつこうとしているのだろうか。

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