ロッテ成田、楽天・森ほか。キャンプのブルペンで見た「凄い球」 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • スポルティーバ●写真 photo by Sportiva

「コーチ陣からも『いいボールはある』と言ってもらえるんですけど、その割合がまだ低いです。イニングによってバラつきがあるのが短所なので、そこを修正していきたいです」

 チーム初の対外試合となった、14日の韓国・ハンファとの練習試合では先発に抜擢され、3回1安打無失点と好投。制球に課題は残したものの、順調なスタートを切っている。状態を上げている2年目右腕の安樂智大とともに一軍戦力になれれば、昨季最下位だった楽天の巻き返しが期待できそうだ。

 ヤクルトキャンプのブルペンで驚かされたのは、4年目右腕の石山泰稚だ。しなやかなフォームから低めに突き刺さるストレートは、見ているだけでしばらく言葉を失うほど。変化球に多少のバラつきはあるものの、「早く侍ジャパンのユニフォームを着てほしい」と思えた。ただ、石山はすでに一軍でまずまずの結果を残しているだけに、本稿では別の投手を紹介したい。

 プロの世界にやってくるレベルの投手になれば、正統的な整ったフォームの投手がほとんどだ。だが、3年目の左腕・岩橋慶侍は、この投手にしかないメカニズムと思わせる変則フォームが特徴。打者にとってタイミングが取りにくい、せわしないモーションから、捕手のミットを意外と強く叩くボールを投げ込む。

 伊藤智仁投手コーチは言う。

「腕の振りが速いので、打ちにくいピッチャーですよね。あとは曲がりダマがひとつあれば、一軍でもやれると思います」

 ブルペンではスライダー、カットボール、シュート、フォーク、チェンジアップと、多彩な球種を練習していたが、どれも制球は今ひとつで決め手に欠いた。ピンチでも自信をもって投げられる球種をマスターできれば、一軍定着の道は近そうだ。

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