楽天・安樂智大、プロ初勝利も「ダメ出し」をした父の思い (5ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Kyodo News

 だが、安樂が語った「初登板が決まってからは、いろんな方に『お前らしくいけ』と言われました。自分の取り柄はストレート。もっと磨きたいと思ってやってきました。その成果は、少しは出たのかなと思います」の言葉に、晃一さんは首を振った。

「お立ち台でね、『今年は150キロを出せませんでしたが、来年は150キロを出します。いや、158キロ(自己最速)を出します』と、それくらいのことを言ってほしかった。彼が今、どこを求めているのか。ストレート、スピードにこだわって、その上で、プロに通用する質を求めてほしい。それでこそ安樂智大なんです。こんなことを言うと、彼に嫌がられるでしょうけど。でも、私ぐらいしか言う人がいませんから」

 オフにふたりが顔を会わせた時には激しい攻防戦が繰り広げられそうだが、勝負の来シーズン、安樂は父を納得させるボールが投げられるのだろうか。

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