7年ぶり日本人キングへ。畠山和洋は「調子が悪いとホームラン」 (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 たとえば、バッティング練習では「ただ100球を打つよりは、目的を明確にして50球打つ方が自分のためになると思う」と、バットを一振りするにも時間をかける。また、自身の打席を振り返る時には、「体が自然に反応した」という言葉を使うことはない。カーブをとらえて打った場合は、「カーブが多い投手なので、それが頭の中に入っていて、狙ったというか合わせた感じです」と話す。

「彼は不器用なんですよ。バッティングフォームだって不細工かもしれません……でも、そのひとつひとつの動きは理想的です。自分で試行錯誤しながらたどりついてんでしょうね。今年はライバルも少ないしタイトルの可能性はありますよ。15年目で初のタイトルとなれば、不器用で職人肌の畠山らしくていいよね」(杉村コーチ)

 プロ野球はもうすぐ折り返し時点に入るが、ようやく畠山から「納得できるホームランでした」というコメントが出るようになってきた。はたして、セ・リーグで7年ぶりに日本人のホームラン王が誕生するのか。それとも、外国人選手が持ち前のパワーで猛チャージをかけてくるのか。“遅咲きの大砲”畠山から目が離せない。

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