セ・パ交流戦開幕。新制度で得するチーム、損するチーム (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

巨人・原辰徳監督

「18試合になり、日程もコンパクトになった分、いかにして勢いをつけられるかが大事になるでしょう。まずは最初の2カードをなんとしても勝ち越したい。そうすれば気持ち的に余裕が生まれるでしょうし、チームも乗っていける」

 原監督が言うように、短期決戦ではスタートダッシュが非常に重要になる。昨年は、セ・リーグの首位を走っていた広島が、ビジターでソフトバンクとオリックスのパ・リーグ2強と対戦し、4連敗。その後も9連敗を喫するなど、交流戦前の勢いは完全に失われ、首位を明け渡す結果となった。そこで、今年の開幕2カードの対戦を見てみたい。

 パ・リーグの6チームについては、開幕2カードともセ・リーグの上位とぶつかるチームはない。しかし、セ・リーグは中日とヤクルトの2チームが、昨年の広島のように首位の日本ハムと2位のソフトバンクというパ・リーグ2強との対戦となった。中日・谷繁元信監督は「相手の方がプレッシャーはあると思う。ここで勝ち越せば、チームは勢いに乗れるはず」と言うが、パ・リーグ2強相手に勝ち越すのは容易ではない。解説者の与田剛氏は次のように語る。

「特に中日は、2カード目の日本ハム戦で大谷翔平との対戦が濃厚です。先日のソフトバンク戦でノックアウトされたとはいえ、現在、パ・リーグのナンバーワンピッチャーです。"大谷攻略"に神経を使いすぎると、他の試合にまで影響が出る可能性があります。いずれにしても、最初の6試合を5割でいければ十分という発想が必要になってくるでしょう」

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る