ヤクルト山田哲人が目指す、200安打と「もうひとつ」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 ここまで(4月13日現在)15試合に出場し、57打数17安打、打率.298、2本塁打、7打点という数字を残している。この結果に杉村繁チーフ打撃コーチは、次のように語る。

「なかなか良いスタートを切ったよね。相手チームも研究しているだろうし、いまウチの打線にバレンティンがいない。その分、山田へのマークはものすごく厳しくなっている。そんな中でのこの成績ですから。シーズン193安打の実力はダテじゃないですよ」

 ちなみに、昨シーズンの15試合時点での成績は、63打数17安打、打率.270、2本塁打、11打点。数字だけを見ればほとんど差はない。山田自身も「昨年とやることも変わっていないですし、大きな変化はないですよ」と言う。

 だが、4月2日の阪神戦のことだ。この日からチーム事情により、山田の打順は1番から3番に変わった。そして、その試合で2本塁打、6打点と活躍。1本目の本塁打は内角高め、2本目はかなり低めのボール球をホームランにするなど、強く印象に残るバッティングを見せつけた。

「1本目はストライクだと思って振ったんですけど、あとで確認したらボール球でした(笑)。そういう意味で、まだストライクゾーンの感覚がずれていますし、ベストの状態じゃないですね。どちらかといえば、今は感覚的に全然ダメな方だと思います」

―― 感覚が良くない状態でも、しっかりと数字を残しています。

「状態が良くない中で結果が出ているのは、それはそれで良いことですが......。ただ、自分としてはしっくりいっていない部分があるんです。それを練習によってベストの状態に持っていかないといけないんですけどね。でも、僕は内容よりも結果がすべてなので、そこにこだわっていきたいです」

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る