2014.08.29

リアル山田太郎!? 解説者7人の「西武・森友哉論」

  • スポルティーバ●構成text by Sportiva
  • photo by Nikkan sports

◎山村宏樹(元阪神、楽天)

 逆方向に強い打球が打てて、しかも長打力がある。ピッチャーにしてみれば、いちばん厄介なタイプの打者ですね。昔から西武は思い切り振ってくる打者が多かったのですが、森もまさにその系譜だと思います。ただ、思い切り振るだけじゃなく、ミートする技術も高い。イメージがダブるのは、右と左の違いはありますが中島裕之(現アスレチックス傘下)です。しっかり自分のポイントまで引きつけて、パッと軸を回転して打つ姿はそっくりです。

 もうひとつ、彼にとって大きいのは中村剛也、浅村栄斗という同じ高校の先輩がチームにいること。これほど心強いことはないと思います。才能を伸ばすには、チーム環境も大切なことだと思います。そういった意味で、いいチームに入ったと思いますね。

◎坪井智哉(元阪神、日本ハム、オリックス)

 彼の最大の長所は、軸がぶれないということと、ボールを追いかけないということです。打者というのは、強くスイングしたいと思えば思うほど、ピッチャー方向に体が行ってしまうものなんです。それだとトップが浅くなって弱い打球しかいかないですし、空振りする確率も高くなってしまう。強い打球を打つには、しっかりボールを呼び込んで、腰の回転で打たなければなりません。森はその形ができています。

 そして彼のバッティングのもうひとつの特長は、ボールを線でとらえることができるということ。ボールの軌道にバットを入れることができるので、確実性は格段に増します。それに彼の場合、フォロースルーが大きいから飛距離も出る。つまり、打率も残せるし、長打も打てる。阿部慎之助(巨人)と同じタイプですね。

◎与田剛(第2回、第3回WBCコーチ)

 スイングの強さ、速さ、どれをとっても一級品です。あれだけ思い切り振れるというのは、バランスがしっかりしている証拠。なにより、スイングに迷いがないですよね。ピッチャーというのは、初球からガンガン振ってこられるのがいちばん嫌なんです。組み立てができないですから。それに森の場合は一発もあるので、初球からコーナーギリギリの勝負をしなければいけません。打ち取るのが困難なバッターだと思います。

 彼のバッティングを見て、似ているなと思ったのが小笠原道大(中日)です。ふたりとも、プロの中では決して体が大きいほうではないですが、打席の中ではすごく大きく見える。一流の打者というのは、打席で大きく見えるものなんです。森はその雰囲気をすでに醸(かも)し出している。それだけでもすごいことだと思いますよ。とにかく"振れる"というのはひとつの才能ですから、そこは失ってほしくないですね。