ユーキリス、呉昇桓にも不安あり!?本当に活躍する新外国人は? (2ページ目)

  • 中島大輔●構成 text by Nakajima Daisuke
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

◎山崎武司(元中日、オリックス、楽天)

「新外国人で注目しているのは、阪神の抑えの呉昇桓です。スタンリッジを放出してまで獲得したことを考えると、呉昇桓が活躍しないと大変なことになります(笑)。力強い真っすぐを投げるし、気持ちも強そうなので、阪神の絶対的守護神になるでしょう。日本で活躍する外国人投手の特徴として、インコースに強いボールを投げられることが挙げられます。日本人バッターはどうしても力で劣るから、いまひとつインコースの真っすぐをさばききれない。右バッターなら外国人右腕投手に対し、インコースの真っすぐに力負けしちゃうんです。そういう意味でも呉昇桓がどこまでインコースに投げ切ることができるのか、非常に楽しみにしています」

◎吉井理人(元日本ハム投手コーチ)

「僕が期待しているのがルイス・メンドーサ(日本ハム)です。メジャーでは通算16勝ですが、マイナーでノーヒット・ノーランを二度も達成している実力派右腕。札幌ドームでのオープン戦を見ましたが、めちゃくちゃよかったです。ボールを動かしながら、ストライクゾーンに強い球を投げられるし、球質も重そうなので打者は相当苦労するでしょう。さすが、ノーヒット・ノーランを二度やったことのある投手だなと思いました。セ・リーグでは阪神の呉昇桓。あのピッチャーは本物です。甲子園のマウンドは土質が柔らかく、掘れやすいから心配していたのですが、オープン戦を見た限りでは何の心配もなさそうですね。絶対的クローザーがいれば、逆算して戦えますから、チームにとっては本当にありがたい。彼がいることで他の投手にもいい影響を与える気がします」

◎金村義明(元近鉄、中日、西武)

「知名度でいえば楽天のケビン・ユーキリスですが、オープン戦を見た感じでは、日本の投手に慣れるまでにまだ時間がかかるのかなという印象を受けました。年齢的なこともありますし、飛躍的な活躍はどうかな......と。ユーキリスをはじめ、打者で印象に残った選手は、正直いません。一方の投手陣は、期待できる新戦力が多くいました。なかでも、阪神の呉昇桓は楽しみですね。キャンプでも見ましたが、とにかくストレートが素晴らしい。スピード、キレともに抜群です。阪神の守護神として活躍することは間違いないと思います。ただ心配なのは、どこまで勝ちゲームを作って、呉昇桓まで回せるかということ。得点力不足を解消しようとマウロ・ゴメスを獲得しましたが、本当に開幕に間に合うのかという状態。主軸が決まらないと打線が組めません。オープン戦は12球団最低のチーム打率(.232)でしたが、ゴメスの影響がもろに出ましたね。とにかく呉昇桓は勝ちゲームで投げさせるわけですから、点を取らないことにはどうしようもない。宝の持ち腐れにならなければいいのですが......」

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