大瀬良大地、カープとの相思相愛を実らせた勝負パンツ

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 繁昌良司●写真 photo by Hanjo Ryoji

プロ野球「行く人、来る人」2013

 広島カープのドラフト1位、本格派右腕の大瀬良大地(九州共立大)が圧巻の「侍ジャパン」デビューを飾り、その実力を証明してみせた。

3球団による競合の末、広島が交渉権を獲得し、大学のチームメイトから胴上げされる大瀬良大地。3球団による競合の末、広島が交渉権を獲得し、大学のチームメイトから胴上げされる大瀬良大地。

 プロ野球の将来の有望株がそろった新生"侍ジャパン"で大学生投手として唯一メンバー入り。11月9日の台湾代表との強化試合2戦目に2番手としてマウンドに上がった大瀬良は、自己最速タイの153キロをマークするなど、1イニング目を直球のみのわずか7球で三者凡退に抑えてみせた。2イニング目は直球に的を絞られピンチを招くも、慌てずすぐに頭の中を整理。配球を変え、最後は138キロの縦に落ちるカットボールで空振り三振。

「ほどよい緊張感。楽しんで投げることができました」という度胸の良さで2回を無失点。結果的に勝ち投手となり、試合後は小久保裕紀監督とがっちり握手を交わしたのだった。この快投で、広島ファンの期待値はさらに上昇したに違いない。

 今季16年ぶりにAクラス入りを果たし、終盤のセ・リーグを最も熱くしたのは広島カープだった。クライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージでは敵地・甲子園球場の半分を真っ赤に染めてみせたあの熱気。「来季は優勝争い」という威勢のいい声も上がる。

 今季はエース・前田健太の15勝を筆頭に、野村祐輔12勝、バリントン11勝、大竹寛10勝と、"2ケタ勝利カルテット"を完成させた。FA宣言をした大竹の去就がはっきりしないが、ここに大瀬良が加入することで"2ケタ勝利クインテット"も夢ではない。

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