2013.11.09

経験者が振り返る
「プロ野球トライアウトの1日」

  • 高森勇旗●文 text by Takamori Yuki
  • 佐賀章広●写真 photo by Saga Akihiro

プロ野球「行く人、来る人」2013

 トライアウトの季節がやって来た。球団から戦力外通告を受けた選手、再びプロ野球の世界に挑戦する選手......。わずかな可能性を信じ、今年も多くの選手が参加を予定している。瀬戸際に立たされた男たちは、一体どのような気持ちで運命の日を迎えようとしているのか。昨年、トライアウトを経験した元横浜DeNAベイスターズの高森勇旗氏が綴(つづ)った。

昨年、Kスタ宮城で行なわれたトライアウトには60名近い選手が参加した。

 楽天の球団創設初の日本一で幕を閉じた2013年のプロ野球。その興奮もまだ醒めやらぬ中、ひっそりと行なわれるNPB主催のイベントがある。それが12球団合同トライアウトだ。

 各球団から戦力外通告を受けた選手や、かつてNPBに所属し現在は独立リーグなどでプレイしている選手が集まり、NPB球団の編成担当者が見守る中、実戦形式のシート打撃を行なう。そして編成担当者の目に留まれば、来季の契約を勝ち取ることができる。

 近年は、テレビ番組などでも特集をされ、「戦力外」「トライアウト」といった言葉も以前より注目されるようになってきた。人間模様や背景などをドラマチックに演出し、密着取材によって視聴者に感動を提供する。しかし、実際のトライアウトの現状は、そんなに「劇的」でも「感動的」でもない。