2013年ドラフト。桐光学園・松井裕樹を指名する球団はどこだ!? (3ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 そして高校生でもうひとり注目を集めているのが、大阪桐蔭の捕手・森友哉(18歳)。現時点で森を1位指名すると明言しているチームはないが、ドラフト当日になって森を単独で指名する可能性は十分に考えられる。なかでも気になるのが、中日と巨人だ。

 中日は落合博満がGMに就任し、指名する選手を再検討していると伝えられている。落合GMは監督時代、ドラフト直前に平田良介(当時・大阪桐蔭)の映像を見て、当初予定していなかった1位での指名を決めたことがある。今のチーム事情を考えれば谷繁元信の後継者育成はここ数年抱えている課題で、ましてその谷繁は来季から監督兼任となる。おそらく出場機会も減るだろうし、何よりキャッチャーを中心にチームの若返りを計らなければいけない時期にきている。谷繁の後継者に森を指名……果たして落合GMの目に森はどう映っているのか、興味深い。

 一方の巨人も、阿部慎之助の後継者という意味からすれば、超攻撃型捕手の森はピタリとはまる選手。このあたりをどう考えているのかも見ものだ。

 確実な1位指名候補が少ないと言われている今年のドラフト。セ・リーグ球団のあるスカウトは、「1位候補が少ないからこそ、原点に戻って、素材のいい選手を指名しようとする球団もある。そういった意味で、考えが一周して松井くんに戻ってくる球団もあるでしょう」と語る。果たして、松井のためのドラフトになるのか、それとも……。運命のドラフトは10月24日、17時から始まる。

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