まさに夢の球宴。今年は「因縁対決」がいっぱい!

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

"新星"が続々と台頭している今季のペナントレースを象徴するように、オールスターゲームの出場選手にはフレッシュな顔ぶれが目立つ。セ・パ64選手のうち、初出場は6人の新人を含む22人。札幌、神宮、福島で行なわれる"夢の球宴"をより楽しむために注目したいのが、アマチュア時代から火花を散らしてきた"因縁の対決"だ。

大谷翔平との再戦に注目が集まる藤浪晋太郎大谷翔平との再戦に注目が集まる藤浪晋太郎 目玉はやはり、藤浪晋太郎(阪神)と大谷翔平(日本ハム)の「怪物ルーキー対決」。昨年春のセンバツでは藤浪の大阪桐蔭と大谷の花巻東が1回戦で激突し、投手としての投げ合いでは藤浪が2失点完投、大谷が9失点と藤浪に軍配が上がった。しかし、投手・藤浪と打者・大谷の対戦では、高校時代から大谷に分がある。昨年のセンバツでは、ライトスタンドに特大の先制ホームランを叩き込み、プロでの初対戦となった5月26日の一戦では、大谷が2本の二塁打を放った。

 藤浪の大谷に対するライバル心を垣間見たのは、甲子園で行なわれたプロ初対戦での配球だ。大谷への3打席で投じた12球のうち、実に11球がストレート。藤浪は「出たサイン通りに投げたという感じ」とコメントしたが、首を振らずに右腕を思い切り振り抜いたのは、意地もあったのだろう。プロ入り15年目で初出場を果たす37歳の捕手、藤井彰人(阪神)とバッテリーを組ませれば、同じタテジマの女房役は藤浪の力を引き出してくれるはずだ。

 ルーキーで言えば、ノーラン・ライアン投法でセ・リーグ最多の10勝を飾っている小川泰弘(ヤクルト)も堂々の出場を果たす。身長171センチは今回出場する28人の投手のうちで最も低いが、全身を使って多彩な球種を操る右腕はセ・リーグの強打者たちを翻弄(ほんろう)している。

 小川にとって、因縁の対戦になるのが鈴木大地(ロッテ)だ。大卒2年目の今季、175センチの左打者は打撃に磨きをかけ、ショートのレギュラーを奪い取った。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る