2013.04.22

本塁打激増の謎に迫る。「統一球」はどこに消えたのか?

  • 阿部珠樹●文 text by Abe Tamaki

昨年を大きく上回るペースで本塁打が量産されているが、真相は明らかになっていない 今年のプロ野球は本塁打がよく出る。例えば、4月14日のオリックス対日本ハムの試合では7本の本塁打が乱れ飛んだ。試合が行なわれたのは屋外のほっともっとフィールド神戸で、決して本塁打が出やすい球場ではない。昨年7本塁打の陽岱鋼が文句なしの当たりで2本叩き込んだのを見せられると、「野球が変わった」と感じずにはいられない。

 その原因として考えられるのがボールだ。現在の統一球が導入されたのは2011年。「国際大会に対応しやすくするため」と、メジャー球に近い質のボールに変更されたが、その最大の特徴は飛距離が出ないことにあった。統一球を製造するミズノは、「従来のボールに比べ、ゴム芯に低反発素材が使われ、飛距離は1メートル落ちる」と説明した。しかし、「1メートルどころか、5メートル以上落ちる」「捉えたと思った当たりでも失速してしまう」「これまでの打ち方では通用しない」など、予想以上の結果に戸惑う選手が続出した。

 事実、統一球が導入される前年(2010年)の1試合平均の本塁打数は1.86本だったが、導入後は2011年が1.09本、2012年が1.02本と減少。もはや「統一球=飛ばない」は完全に定着した。しかし、冒頭でも触れたが今年はボールが飛ぶ。4月20日現在、1試合平均本塁打数は1.28本。導入前に戻ったとまでは言えないが、大幅な増加傾向にあるのは間違いない。もちろん、現場でも明らかな変化を感じている。

「打球が早くなったし、逆方向への伸びが昨年までとは全然違う」(楽天・嶋基宏/捕手)

「確かに飛ぶようになった。自分のイメージよりも打球が伸びる」(西武・浅村栄斗/内野手)

 また、ヤクルトの畠山和洋(内野手)は「打球音が違いますね。飛距離も出るようになったなと感じます」と、音の違いを口にした。