【WBC】侍ジャパン、2次ラウンド突破の切り札は「2番・井端」 (2ページ目)

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 現状で適任者を考えると、ブラジル戦の同点打を含め、ここまで打率.600の井端弘和の名前が挙がる。抜群の勝負強さを持つため、代打の切り札として使いたい思いもあるだろうが、今大会好調で2番を知り尽くす井端をスタメンで起用しない手はない。

 大会前、前オリックス監督の岡田彰布氏はこう話していた。

「短期決戦で重要なことは、調子の良い選手を見極めて使っていくこと。特に1番、2番が調子を落としたら得点力は明らかに落ちる。下位を打っている打者でも調子がよければ上位に持ってくるなど、積極的に選手を入れ替えるべき。上位がつながれば、自然と下位もつながるようになる」

 そして、「国際大会は松田(宣浩)のような意外性のあるバッターが活躍する。意外と大会が始まれば上位を打っているかもしれない」とも話していた。その松田はここまで打率.300。4三振を喫しているのは気になるが、通算4打点の糸井嘉男(.300)や2戦連続2安打の中田翔(.571)と並び、打撃陣では好調の部類に入る。

 3戦までの結果と岡田氏のコメントを総合すれば、こんな上位打線が見えてくる。1番に率を残せて足もある糸井を置き、2番に井端を配置。3番には今大会好調の内川聖一、不動の4番・阿部慎之助の後ろに中田、もしくは松田を持ってくる。あるいは、糸井と松田を逆にするオーダーもある。

 一発が期待できない国際大会では、いかにつながる打線を築けるかが大きなポイントになる。そのためにも、出塁が期待できる選手を上位に置くのが鉄則といえる。

 キューバに敗れ、1次ラウンド2位通過となった侍ジャパン。過去2大会はいずれも1次ラウンドの最終戦で敗れ、2位通過しているという幸運なジンクスはあるが、果たして......。決勝ラウンド進出をかけた2次ラウンド初戦の相手は台湾に決まった。おそらく日本戦に先発するであろう王建民は、1次ラウンドのオーストラリア戦で6回を61球、無失点に抑える完璧なピッチングを見せた。この台湾のエースに侍戦士はどう立ち向かっていくのだろうか。いよいよ負けられない戦いが始まろうとしている。

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