【プロ野球】2年前の首位打者・西岡剛は阪神の救世主となれるのか? (2ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 日刊スポーツ●写真 photo by Nikkan sports

はじめて20代での日本復帰となる西岡剛のプレイに注目が集まるはじめて20代での日本復帰となる西岡剛のプレイに注目が集まる では、どうして土井氏のいう「ガタガタ」な状態になって戻ってくるのか。そこに技術の問題があると土井氏は続ける。

 「みんな日本で実績を残し、自分のスタイルを築き上げてメジャーに挑戦しにいくわけです。でも、いざ行ってみると思うような結果が出ない。そうなると、対応しようと考えて、バッティングを変え始める。それでも結果が出ないとなると、また形を変えて、どんどん本来持っている良さを見失ってしまうんです」

 もし日本であれば、選手のいい時、悪い時の形を知るコーチや関係者がアドバイスを送るのだろうが、アメリカではそうしたこともできない。ひとりで試行錯誤を繰り返すうちに、気が付けば深いぬかるみにはまり、自分の形さえ忘れてしまう。打者目線に立つと、それだけ日本とアメリカの投手の攻め方、ボールの質が違うということ。そこがバッティングを狂わせる大きな理由だと土井氏は言う。

「やはり最も大きいのはボールをとらえるポイントでしょう。メジャーの投手はストレート系の変化球が多い。当然、バッターからすれば対応するために日本にいた時よりもポイントを手元に持ってこないといけなくなる。でも、手元に持ってくると、今度は外国人投手のパワーに押されて力負けしてしまう。その結果、いい打球も飛ばなくなるし、数字も落ちていくわけです」

 その中で、イチローのように対応できた選手は何が違っているのか。土井氏は「日本でも名球会に入るような人はみんなそうなんですけど......」と前置きしてこう続けた。

「イチローは後ろで捌くポイントと前で捌くポイント、そして真ん中でのポイントを含め、3つのスイングを持っている。だから、その時々でボールによってスイングを変えて対応できるんです。しかし、ひとつのスイングしか持っていない選手は対応力が低くなり、結果もついてこない。その差が、対戦相手やボールが変わった時に結果となって表れてくるのではないでしょうか」

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