2012.06.11

【プロ野球】三浦大輔「5年後の優勝なんて待っていられない」

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

引退するまでに、もう一度優勝を味わいたいと語る三浦大輔

三浦大輔インタビュー(2)

 今シーズン、見事な復活を遂げた三浦大輔だが、実は一度だけ”引退”と真剣に向き合うことがあったという。それが昨年の5月4日の広島戦、1イニングを投げ切れないまま3失点で降板した時だ。
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「打たれてショックを受けて、さらにその翌日に二軍行きを命じられたんです。こんなことは今までなかったし、本当に落ち込みましたね。この時、初めて”引退”という文字が頭をよぎりました。もうこのまま使ってもらえないんじゃないかとか、弱気なことばかり考えていました。でも、落ち込んでいる自分の姿を見て女房が言うんですよ。『三浦大輔がこのまま終わっていいの?』って。その時、ハッとして、このままじゃアカン、もっとできるはずだと。それに、たとえクビになったとしてもこんな終わり方は絶対に嫌だと思いました。それから、また一軍マウンドに戻るんだって、目の色を変えて練習しました」

――三浦選手のモチベーションの源とは何でしょうか?

「もっと野球をやりたい、真剣勝負のマウンドに立ちたい。ただそれだけですよ。小さい頃から野球をやってきて、憧れだったプロの世界にいるわけじゃないですか。これ以上の場所はないし、まだまだこの場所にいたい。それに2008年にFA宣言をして残留を決めた時に、絶対にこのチームでもう一度優勝するんだと強く思うようになりました」

――98年の歓喜をもう一度ですね。

「あの時、優勝ってこんなにいいものなんだと思ったし、ビールかけも想像していたよりもずっと素晴らしかった。引退するまでにもう一度味わってみたいですね」

――春田(真)オーナーは『5年後に優勝を』とおっしゃっていましたが……。

「そんなに待ってられないですよ(笑)。いつまで現役でいられるかわからないし、1年でも早く優勝しなきゃ」

――今シーズンから親会社も変わり、監督も変わりました。チームの雰囲気はどうですか?

「いい感じですよ。シーズンに入る前、中畑監督がどんな時も明るく1年間やっていこうと目標を立ててくれて、監督自らが率先してくれている。それに引っ張られるように選手も声が出るようになってきました。急には強くならないだろうけど、今はそれを続ける段階だと思うし、やり遂げればきっとチームは変わると信じています。連敗もするし、最下位だけど、これでシュンとしてしまったら何も変わらない。それに今は若い選手が結構試合に出ているけど、出場できることを当たり前と思わず、感謝しながら多くのことを学んでほしいと思っています。正直、他のチームだったら試合に出られていないかもしれないわけだし、この経験を次に生かしてほしいですね」