【プロ野球】いよいよ開幕!ハイレベルな新人王レースを制するのは誰だ!? (2ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 青山浩次●写真 photo by Aoyama Koji

 また阪神の伊藤隼太は、オープン戦は打率.154と苦しんだが、メジャーとの練習試合2試合で3安打を放ち、上昇の兆しが見えてきた。伊藤は開幕一軍の切符をつかんだだけでなく、負傷のマートンに代わり、ライトでのスタメン出場が濃厚。阪神は野手陣にベテランが多く、和田監督も「(マートンが)いない間にチャンスをつかむ選手が出てきてほしいし、伊藤にはその筆頭になってほしい」と期待を込める。マートンが戻って来た時、指揮官を悩ませるような結果を残していられるか。

 中日ではキャンプ中から話題を集めた内野手の高橋周平が、チームとしては1988年の立浪和義以来24年ぶりに高卒での開幕一軍を果たした。オープン戦では29打数3安打、打率.103と結果を残せなかったが、他球団が早々と厳しい攻めをしてきたのは、高橋の高い能力を認めていた証拠。できることなら実戦で経験を積ませて成長させたいが、一軍でどう起用していくのか。「戦力としてはあてにしていない。でも、下より上でやる方がいい」と語る高木監督の手腕も見どころだ。

 また、新人王の資格があるのはルーキーだけではなく、入団5年目までで、投手なら通算30イニング以内、打者なら通算60打席以内の選手にも可能性がある。

 昨年、張本勲氏以来52年ぶりに高卒の外野手として開幕スタメンを果たしたオリックスの駿太。その後は大半を二軍で暮らしたが、イチローを彷彿(ほうふつ)させる強肩を含めた高い守備力は、一軍でも十分通用することを証明した。あとは、課題のバッティングでどこまでアピールできるか。高校時代に見せたシュアなバッティングができれば、いきなり新人王の本命に名乗りを上げるかもしれない。

 同じパ・リーグでは日本ハムの3年目、中村勝も注目のひとり。ポスト・ダルビッシュの呼び声が高く、140キロ中盤のストレートにカットボール、スライダーを武器とし、スローカーブも有効に織り交ぜる。1年目にはチームとしてダルビッシュ以来となる高卒新人投手初登板初先発初勝利を記録した逸材。ダルビッシュが抜けた今年、中村にかかる期待は大きい。

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