2012.03.13

【プロ野球】常設化された侍ジャパンの進むべき道は?

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

第2回WBC以来、3年ぶりの結成となった侍ジャパン 驚くほど、出足が早かった。

 試合開始の約2時間前、開場した東京ドームに、たくさんの野球好きがなだれ込んでくる。

 ようやく訪れた球春の薫りに誘われたのか、あるいは侍ジャパンの豪華な顔ぶれに胸を躍らせたのか。それとも、東日本大震災復興支援の主旨に賛同して、馳せ参じてくれたのだろうか。

 2012年3月10日。

 第2回WBC以来、3年ぶりの侍ジャパンが、台湾代表を招いて復興支援試合を行なった。発表された入場者は、3万5505人。二階席に空席は目立ったものの、一階席はほぼ満席で、9-2という一方的なスコアになったのにもかかわらず、そのほとんどが最後まで席を立つことはなかった。

 そして、そんな野球好きの想いに応え、”Japan”の文字を胸に、そして”日の丸”を右袖に、侍ジャパンの名の下に集った選手たちは、素晴らしいプレイを見せてくれた。

 田中将大(楽天)が渾身のボールを投げ込むと、スタンドからはその迫力にどよめきが起こる。内海哲也(巨人)が緩急を生かした見事なピッチングを披露すれば、吉見一起(中日)は持ち前の低めへのコントロールを発揮した。斎藤佑樹(日本ハム)が気持ちのこもった、キレのあるストレートを投げ込み、澤村拓一(巨人)は唸(うな)りを上げるストレートを連発した。そして8、9回は中継ぎのスペシャリスト、両リーグのタイトルホルダー、平野佳寿(オリックス)と浅尾拓也(中日)が完璧なピッチング。日本が誇る投手陣のレベルの高さを、十分に堪能させてもらった9イニングスだった。

 足と守りで魅せてくれた本多雄一(ソフトバンク)、3、4番を任されてフル出場した内川聖一(ソフトバンク)のバッティングは巧く、中村剛也(西武)のそれは力強い。栗原健太(広島)の豪快な一発、中島裕之(西武)の勝負強さ、坂本勇人(巨人)のしぶとさも見応えがあった。そしてライト線へツーベースヒットを放った、嶋基宏(楽天)の底力──残念ながら、ここで全員の名前を挙げることはできないが、誰一人としてスキを感じさせるプレイをした選手はいなかったと思う。