【プロ野球】山﨑武司「一度でいいから日本シリーズの舞台に立ってみたい」 (3ページ目)

  • 石塚隆●構成 text by Ishizuka Takashi
  • 喜安●写真 photo by Kiyasu

金村 高木さんとはもう話した?

山﨑 ええ、電話で。「今回は色々とありがとうございました」と言ったら、「いや、いいんだよ、頑張ってくれれば」って。

金村 俺も高木さんとは一緒にやったことがあるけど、3回ぐらいしかしゃべったことないなぁ。そんな無口な人が、毎週のようにイベントに登場して精力的に中日ファンへサービスしとるんやからな。タケシもファンサービス要員として仕事せなアカンぞ。

山﨑 なんか高木監督と新しいスタッフで初めてのミーティングをやったそうなんですけど、そのとき宇野(勝)コーチが、「武司どうするんですか?」って聞いたんですって。宇野さんは起用方法やキャンプでの扱いの話をしたつもりなんですが、高木監督は「あいつは名古屋での人気がすごいからな」って(笑)。それで話が終わったみたいです。

金村 それぐらいタケシの人気は名古屋で絶大なわけや。ファンが減ってきた中日にはお前が必要なんよ。じゃあ、指揮官としての高木監督はどんな印象を持っている?

山﨑 思い描いていることが自分でできてしまう天才型の人なので、掴みきれない時があったんですけど、すごく大胆ですよね。普通、ギャンブルをするときって、あれこれ考えたり迷ったりすると思うんですけど、高木監督は直感で迷わず答えの出せる人。それで、ダメだったらしょうがないって、すごく割り切りが早いんです。

金村 それでは背水で挑む2012年。どんなシーズンにしたい? タケシの中の理想を語ってええで。

山﨑 優勝するのはもちろんですけど、とにかく日本シリーズに出たいです。実は僕、日本シリーズを味わったことがないんですよ。99年、中日でリーグ優勝したときは、ケガで出られませんでしたから。最近もゲスト解説とかに呼んでいただいて、外から日本シリーズを見ると素直にいいなぁって思っていましたし、25年間もやってきて一度も出場がないのは寂しすぎます。野球をやる者として、一度でいいから当事者として、あの雰囲気がどんなものなのかを味わってみたい。それが、僕の26年目のシーズンの理想です。

プロフィール

  • 金村義明

    金村義明 (かねむら・よしあき)

    1963年、兵庫県生まれ。報徳学園では3年夏の甲子園で4番・投手として全国制覇を達成。82年にドラフト1位で近鉄に入団。プロ入り後、打者に転向し"いてまえ打線"の中軸を担う。その後、中日、西武でも活躍し、99年に現役を引退。
    現在は「現場主義」をモットーに、野球評論を中心に幅広い分野で活躍中。
    金村義明オフィシャルWebサイト

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