【プロ野球】山﨑武司「交流戦のKスタでスタメン出場するのが目標であり、最高の楽しみ」 (2ページ目)

  • 石塚隆●構成 text by Ishizuka Takashi
  • 喜安●写真 photo by Kiyasu

金村 けど楽天に7年もいたわけやし、ファンや若手たちは、悔しい思いで楽天を去ることを理解していると思うで。ファンは最後まで大声援を送ってくれたし、若手は涙流しながら胴上げしてくれたやないか。

山﨑 言葉は悪いですけど、これもプロならではの"見せしめ"だと思うんですよ。みんなが応援してくれて、チームの第一線で戦っていたとしても、「悪ければタケシのようになるぞ」という星野監督ならではの厳しさ。だから若手には、「こうならないよう悔いなくやるんだぞ」と言っておきました。

金村 コーチ要請はあったんやろ?

山﨑 話はありましたけど、僕の中の選択肢には、正直なかったですね。息子からの一言もあって、このままでは終われないって思いもあったし。

金村 息子には、なんて言われた?

山﨑 クビになったその日に息子に電話したんです。「43歳にもなって獲ってくれる球団なんかないからパパは辞めるよ」って。そしたら息子は絶対にイヤだと。パパにはまだ野球を続けていてほしいと言い張るんです。それで嫁さんにも相談して、よしオマエの気持ちはわかった、と。「じゃあパパは現役続行の努力はする。宣言もする。それでも他の球団が獲ってくれなかったら諦めてくれ」って。そう言ったら理解してくれました。

金村 息子はいくつやった。

山﨑 中三です。

金村 野球をしている父親の姿が大好きなんやろうな。

山﨑 息子はとにかく、このまま僕に引退してほしくなかったみたいですね。

金村 これまで単身赴任で離れていたから、今度は地元の中日に戻ってくるということですごく喜んでいたやろ。

山﨑 あれだけ好きだった楽天の話を一切しなくなりましたからね。今はもう中日一色ですよ。息子は僕のことをお父さんって感覚じゃなくて、山﨑武司ファンの目線なんです。

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