2011.08.18

【プロ野球】ダルビッシュ有の新魔球”ジャイロカッター”を科学する

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Masuda Yuichi

 シーズン後半戦に入って、要所でダルビッシュ有が新魔球を投げ込んでいる。その新魔球とは、オールスターで初披露された通称「ジャイロカッター」で ある。打席に立った阿部慎之助が「アンダースロー投手のようにボールが浮いてきた」と語ったこのボールは、カットボールの握りから横回転を加え、左上方に 向かって浮き上がっていくような軌道を描く変化球だ。

10種類以上もの球種を自在に操るダルビッシュ有 ダルビッシュはスライダーやカーブのほか、フォークにチェンジアップにツーシームと、多種多彩な球種を放る。高校時代はナックルも投げていたというから、彼の指先にかかれば、どんな変化球でも操ることは可能だろう。

 だが、このジャイロカッターは他の球種とは一線を画す。今季のダルビッシュは開幕ゲームで「ワンシーム」を、シーズン中盤からは「高速チェンジアップ」といった新球種を解禁しているが、このふたつは既に修得していた変化球のいわばマイナーチェンジ版。

  一方、ジャイロカッターは他の球種とはまったく異なる軌道を描き、オールスターのテレビ解説で清原和博氏が「こんなボール見たことがない」と語ったよう に、他に投げる投手も見あたらず、ダルビッシュが初めて自ら編み出した変化球と言えよう。しかし、上から下に腕を振るオーバーハンドから繰り出されるボー ルが本当に”浮き上がる”ことなどあるのだろうか。