大谷翔平が対峙するブレーブス先発投手陣との対戦成績 2度死球をぶつけられた唯一の投手も (2ページ目)

  • 奥田秀樹●取材・文 text by Okuda Hideki

【先発予定投手の特徴とvs.大谷翔平の実績】

カーブが武器の40歳・モートン photo by AP/AFLOカーブが武器の40歳・モートン photo by AP/AFLOこの記事に関連する写真を見る まず第1戦の先発予定は、チャーリー・モートン(40歳)。実は大谷翔平に2度死球をぶつけているメジャーで唯一の投手だ。モートンの決め球はカーブで、縦に大きく落下するだけでなく、横にも大きく曲がるのが特徴。2022年のカーブは平均で51.1インチ(129.8cm)落ちて、15.5インチ(39.3cm)横に曲がっていた。横の曲がり幅がメジャー平均より5.2インチ(約13.2cm)大きかった。

 大谷との対戦では2022年7月22日のロサンゼルス・エンゼルス戦、5回の第3打席、カウントは1-2。大谷はその前の内角カーブを右翼線にファールにしており、再びインコース低目に来たカーブをぎりぎりでボールと判断してバットを止めたのだが、さらに大きく曲がってきた球をよけきれず、左足に当ててしまった。この試合、大谷は二刀流での出場だったが、運良くピッチングには影響がなく、そのまま続投している。

 次の対戦は1年後の2023年7月31日、第1打席、0-2と追い込まれた3球目、インコースのカーブを再びボールと判断し見逃したのだが、また同じ左足に当ててしまい、1年越しの2打席連続死球。大谷も苦笑いだった。ちなみにモートンは2013、2014、2017、2018年にリーグで最も多く死球を与えた投手で、特に2014年は19回もぶつけている。モートンは今季も全投球の42.5%がカーブの投手だから、用心しないといけない。

 大谷との通算成績は10打席で、7打数1安打3三振。三振はカーブで1度、フォーシームで2度。唯一のヒットは高め直球を右前打としている。

 第2戦に先発予定のブライス・エルダー(24歳)は、シンカーとフォーシームは90マイル(144キロ)前後、スライダー、チャンジアップ、カーブなど5つの球種をコーナーにテンポ良く投げ分け、打たせて取るタイプだ。

 2022年にメジャーデビュー、2023年は31試合に先発して、12勝4敗、防御率3.81でオールスターに選ばれた。しかしながら後半は防御率5.11と成績を落としていたため、春のキャンプでローテーションの座は確約されず、開幕は3Aで迎えた。しかしながらエースのストライダーが今季絶望となったため、ローテーションに加えられた。初登板、4月22日のフロリダ・マーリンズ戦は7回途中まで投げ、8安打を許すも、要所を抑え無失点。28日のガーディアンズ戦は、6回途中まで4安打2失点でゲームを作り、勝利に貢献した。空振り率が高い球種はスライダー。大谷とは初めての対戦になる。

 第3戦は左腕マックス・フリード(30歳)。2019年から2022年までエースとしてチームをけん引、2021年に世界一になったシーズンも公式戦は14勝7敗、防御率3.04。ポストシーズンも5試合に先発し、世界一を決めたワールドシリーズ第6戦は6回4安打無失点で勝ち投手になった。今季は序盤不振だったが、4月23日のマーリンズ戦では92球で3安打完封。100球未満での完封は殿堂入りの名投手グレッグ・マダックスにちなんで「マダックス」と呼ばれるが、フリードはキャリア3度目の「マダックス」を達成した。29日のマリナーズ戦も6回無安打無失点7奪三振の好投。フォーシーム、カーブ、チェンジアップ、シンカーを投げ分ける。ナ・リーグを代表するサウスポーも、実は大谷とは初対決となる。

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