大谷翔平は2023シーズンどんな新記録を成し遂げる? 注目はメジャー通算本塁打で日本人1位のゴジラ超え (3ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki
  • photo by AFLO

【サイ・ヤング賞も夢じゃない】

 一方、投手としての大谷は、2019年が全休、2020年も2登板なので、実質的には今シーズンがメジャーリーグ4年目。規定投球回に達したのは昨シーズンが初めて。なので、打者としてのようなストリークやマイルストーンを達成することはなさそうだ。

 ただ、大谷は日本人メジャーリーガー初のサイ・ヤング賞投手となっても、おかしくない。

 シーズンを通し、エンゼルスが6人ローテーションを継続するか、先発投手5人とスウィングマン1人の変則6人ローテーションを採用した場合、通常の5人ローテーションで投げる他チームの投手と比べると、大谷の登板とイニングはやや少なめになる。この点は、サイ・ヤング賞の投票においては不利な要素だ。

 けれども、昨シーズンのジャスティン・バーランダー(当時ヒューストン・アストロズ/現ニューヨーク・メッツ)は28登板の175.0イニングでサイ・ヤング賞を受賞した。昨シーズン、大谷の登板はバーランダーと同じで、イニングは9.0イニング少ないだけ。1登板平均は約0.1イニングしか違わなかった。

 バーランダーのイニングはア・リーグ16位ながら、そこで記録した防御率1.75は2位のディラン・シース(シカゴ・ホワイトソックス)より0.45も低かった。登板とイニングがやや少なくても、防御率などでほかの投手に大差をつければ、大谷にも受賞のチャンスはあるということだ。

 もちろん、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)、前田健太(ミネソタ・ツインズ)、菊池雄星(トロント・ブルージェイズ)に、ルーキーの千賀滉大(ニューヨーク・メッツ)と藤浪晋太郎(オークランド・アスレチックス)にもサイ・ヤング賞の可能性はある。

 ちなみに、サイ・ヤング賞の投票で2位にランクインした日本人メジャーリーガーは、ふたりいる。ダルビッシュはテキサス・レンジャーズ時代の2013年がア・リーグ2位、シカゴ・カブス時代の2020年はナ・リーグ2位。前田はツインズ1年目の2020年にア・リーグ2位だ。

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