2021.08.30

「大谷翔平との契約はかなり難解」と地元メディアが見解。カギは二刀流の将来性をどう考えるか

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by AP/AFLO

「本来であれば、あと2年の契約を残した今オフにも延長契約という話が出てくるべきだろう。まだ契約切れまで時間があり、チーム側から見ても交渉時に有利な材料が残っている時期だ。トラウトが新契約を得たのもFAまで2年を残したオフだった。ただ、繰り返すが、大谷のケースはより難解。私が見ている限り、両サイドとも契約延長を焦っているとは思えない」

 そんなハリス記者の見立てどおりなら、エンゼルスが大谷との契約延長交渉に本腰を入れるのは早くて来年以降か。チーム側がもうしばらく様子を見たいと考えているのだとすれば、十分に理解できる。

 ここまで読んでいただければおわかりのとおり、今回話を聞いた関係者はいずれもエンゼルスへの残留を前提に話していた。エンゼルスは過去にトラウト、アルバート・プホルス、アンソニー・レンドンらと大型契約を結ぶなど、必要とあらば投資を惜しまないことを示してきた。

 プホルスが今季で、ジャスティン・アップトンが来季で契約切れを迎え、ペイロールには多少のフレキシビリティも生まれる。もちろんトラウト、レンドン、大谷の3人だけで年俸1億ドル以上が必要になりそうなのは負担だが、それでもオーナーのアート・モレノが大谷ほどの素材を流失させるとは思えない。大谷自身が移籍を希望するような予想外の事態がない限り、まずは残留が基本線ではないか。

 ただ、だからといって、フロントの仕事が簡単になるわけではない。

「資金に多少の余裕があっても、後々まで負担になる金額を払いたいチームは存在しない。大谷は球界の宝だが、史上稀に見るほど未来の予想が難しい選手でもある。仮定の話だが、来シーズンに多少成績が落ちた場合、そこで少し割安の金額で再契約してしまうのもいいのかもしれない」

 前述のスカウトのそんなコメントは、誰もが口を揃えるとおり、大谷の未来予想図を描くのが容易ではないことを指し示す。

 大谷の市場価値は今後、さらに上がるのか、それとも停滞するのか。契約年数は10年前後の長期になるのか、あるいは二刀流が可能な期間を睨んで4~5年か。1年ごとの年俸はどの程度になるのか。大谷本人はこれから先も金銭にはこだわりを見せないかもしれないが、所属チーム、関係者を巻き込んだマネーゲームが今後、一気に白熱することになっても驚くべきではなさそうだ。

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