ダルビッシュ有、サイ・ヤング賞への道。ハードルとなる要素を考えた (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO


 2010年のフェリックス・ヘルナンデス(シアトル・マリナーズ/現アトランタ・ブレーブス)は味方の援護に恵まれず13勝12敗に終わり、2018年のデグロムはブルペンと守備に足を引っ張られて10勝9敗という成績でした。それでも、ふたりはサイ・ヤング賞を受賞しています。

 ちなみに、昨年はダルビッシュ投手も不運に泣き、5月4日から6月21日まで10試合続けて勝敗なし、という球団新記録を作りました。後半戦も好投しながら4勝4敗の勝率5割に終わっています。

 勝利数に代わり、次に高く評価されるようになったのは投球回数でした。

 2010年のヘルナンデスが受賞できた要因のひとつは、馬車馬のように働いてア・リーグ最多の249イニング3分の2も投げたからです。ただし、それも最近は球数規制の強化によって、評価の対象として大きな割合を占めることはなくなってきました。

 2018年、ブレイク・スネル(タンパベイ・レイズ)は最終候補者3人のなかで最も少ない投球回数ながらサイ・ヤング賞を受賞しています。先発投手としてフルシーズン投げた過去の受賞者のなかでも180イニング3分の2という数字は最も少なく、奪三振数も最終候補者3名のなかで最少でした。

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