シーズン最後に15奪三振。プレーオフでも「グッド田中」になれるか (4ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 13勝12敗、防御率4.74という田中のレギュラーシーズンの成績は満足できるものではなく、乱調の可能性を危惧する声は消えないだろう。だが、たとえそうだとしても、チーム内で不可欠な存在であることに変わりはない。

 大舞台で"いい田中(Good Tanaka)"が続けて出現しない限り、ヤンキースが勝ち抜くことは考え難いのが現実だ。地元ニューヨーカーの目が一身に注がれるポストシーズンで、試練を乗り越えてきたエースは、よりよい結果を出すことができるか。

『フォレスト・ガンプ』の「人生はチョコレートの箱のようなもの」というフレーズには、"いいことも、悪いことも、すべてを引っくるめて贈り物なのだ"というメッセージが込められているのだろう。混じり気のない上質なチョコレートは、得てして口に苦し。田中が波乱万丈の2017年を"価値ある贈り物"と捉えるためには、最後に納得できる答えを示す必要がある。

 少しずつ肌寒くなり、秋の決戦ムードが高まるニューヨーク。この時期に活躍すれば、すべての苦しみは清算されておつりがくる。田中が織り成すドラマチックなハリウッド・エンディングを、多くのヤンキースファンが待ち受けているはずである。

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