高橋尚成が斬るMLBポストシーズン。走れるレッドソックスに注目

  • 市來孝人●文 text by Ichiki Takato
  • photo by Getty Images

高橋尚成が占うMLBポストシーズン~ア・リーグ編

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 現役時代は日本のみならずメジャーでも活躍し、現在は解説者としてMLBの面白さを伝えている高橋尚成氏。その高橋にメジャーリーグのポストシーズンの行方を占ってもらった。まずはア・リーグ編からお伝えしたい。

17勝を挙げ、ア・リーグ最多の308奪三振を記録したレッドソックスのクリス・セール17勝を挙げ、ア・リーグ最多の308奪三振を記録したレッドソックスのクリス・セール 今シーズン、ア・リーグでまず注目していたのがヤンキースでした。昨シーズン終盤、若手に切り替えた戦いぶりを見て、今年はヤンキースが面白いだろうなと思っていました。それにライバルのレッドソックスは、打線の力が昨シーズンより落ちていたこともあり、ヤンキースが地区優勝をするのでは......と思っていたほどでした。最終的にレッドソックスに競り負けましたが、昨年よりもチーム力が上がっているのは確かです。

 ヤンキースのキーマンは、アーロン・ジャッジしかいないでしょう。彼が打てばヤンキースは勝ちますし、調子が悪くなると勝てなくなる。それぐらいチームの命運を握っている選手です。相手チームにしてみれば、ジャッジをいかにえ込めるか。そこが最大の焦点だと思います。

 ピッチャーのキーマンは、田中将大と言いたいところですが、今年は13勝したものの12敗を喫し、ほとんど貯金をつくれなかった。チームにとっても痛かったですね。もし田中が5~6個の貯金をつくれていたら、おそらく地区優勝していたと思います。とはいえ、勝てるピッチャーということに変わりはありません。ポストシーズンでは会心のピッチングを見せてほしいですね。

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