史上最速ダルビッシュでも止められない、史上最高ドジャースの急失速 (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 ただ、シーズン中に1勝13敗というスパンを経験し、その年にワールドシリーズを制したチームは存在しないという不吉なデータもある。一方、一昨日まで13連勝を続けた地区ライバルのダイヤモンドバックスをはじめ、ナショナルズ、カブスといったナ・リーグのライバルチームは上り調子。プレーオフ開始時には、ドジャースは"ダントツの大本命"とは目されてはいないだろう。

 気になるのは、先発陣の調子とダルビッシュの復調具合だ。今季12勝の前田健太ですら、先発ローテーション落ちが危惧されるほど層が厚いドジャースの先発陣は、チーム最大の武器と目されてきた。しかし、ここにきてその質に不安がささやかれ始めている。

 腰痛で9月1日までの5週間を離脱した大エースのクレイトン・カーショウが、9月7日の試合では4回途中までに4失点と打ち込まれた。今季にブレイクしたアレックス・ウッドも、直近2戦で5被本塁打と疲れ気味。ダルビッシュの復活が待たれるところだが、心強いのは、ロッキーズ戦後の表情に迷いが見られなかったことだ。

「野球だけじゃなくて人生もそうですけど、誰だって死ぬまでうまくいくことなんてない。これも人生の一部。自分が諦めたり、前に進まなかったりというのは、しないと決めている。自分はずっと戦っています」

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