ダルビッシュ加入で試練の前田健太。
もしローテを外れても恥ではない (2ページ目)
一方、2年前の左肩手術から回復途上である韓国人左腕のリュ・ヒョンジンは、8月6日のニューヨーク・メッツ戦で7回1安打無失点と完璧なピッチングを見せた。リュも直近の6戦で34回3分の2を投げ、38奪三振、防御率2.08と好調。普通に考えれば、この左右の"日韓スターター"は、1988年以来の世界一を目指すドジャースで重要な役割を担っていきそうに思えるのだが......。
「ダルビッシュ有が加入したことで、前田とリュがプレーオフに先発することはなさそうだ」
8月6日の『LAタイムズ』にはそんな記述があった。素晴らしい投球を続けている前田とリュが、いずれ先発ローテーションから弾き出されると予想されているのはなぜか。それは、歴史的な快進撃を続ける今季のドジャースにおいて、その屋台骨を支える先発投手陣の層が極めて厚いからだ。
ドジャース先発陣の軸は、クレイトン・カーショウ(今季15勝2敗、防御率2.04)、アレックス・ウッド(同13勝1敗、防御率2.33)、リッチ・ヒル(同8勝4敗、防御率3.47)という3人の左腕だ。その中で、"メジャー最高の投手"と称されるカーショウは、7月23日に腰の痛みを訴えて故障者リスト入り。これで暗雲が漂うかと思えば、トレード期限を前に今夏のマーケットの目玉的な存在だったダルビッシュを獲得してしっかりと補強した。
莫大な資産を誇る"金満チーム"の強みを活かして揃えた先発陣は、カーショウ離脱後の12試合でも、防御率1.82(69回3分の1で自責点14)、WHIP1.00、61奪三振、17四球と調子を乱すことはなかった。
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