ヤンキースの若き大砲も脱帽。「ダルビッシュの緩急はとてつもない」 (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

――第3打席にスローカーブを投げられた後、打席で笑顔を見せるシーンもありましたね。あのスマイルの理由はなんだったんでしょう? 

「笑ったのは、ボールになる64マイルのスローカーブを見逃すことができた時。直前に96マイルの速球を投げ込まれていたから、もう思わず微笑まずにはいられなかった。『これはとてつもないな!』と感じて、ああいった反応になったんだ。ダルビッシュの配球にはしっかりとした意図が見えて、彼はそのプラン通りに投げてくる。ただ、だからこそダルビッシュのようなピッチャーとの対戦は楽しい。好投手を相手にするのは楽しいもので、彼もそんな稀有(けう)なピッチャーだということだ」

――その"楽しい"という想いが、あの笑顔につながったんですね。スローカーブを多投したのを見ても、ダルビッシュもあなたのことをリスペクトしているように見えました。ところで、メジャーでダルビッシュに似た投手がいるとすれば誰になりますか? これまでに共通点の多いピッチャーと対戦したことは?

「(少し考えて)・・・・・・うーん、いや、いないかな。これまでも上質なカーブボーラーと対戦したことはある。ただ、真っ直ぐ、カーブの両方があそこまでハイクオリティな投手はいなかった。滅多にいないタイプのピッチャー。そのユニークさこそが、ダルビッシュを特別な右腕にしているのだろう」

***

 この試合、ダルビッシュは上腕三頭筋の張りのため7回88球で降板した。そのためフィジカルの状態が心配されたが、現時点ではローテーション通り28日(日本時間の29日朝)のインディアンス戦での先発が予想されている。今をときめくジャッジが脱帽した快投を、さらに上回るマウンドを期待したい。

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