MLBスカウトが分析。田中将大はメッタ打ちスランプから脱出したか (4ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

──今季は正捕手のゲイリー・サンチェスではなく、オースティン・ロマイン捕手とバッテリーを組んだ時の方が田中の成績は極端によくなっています。ジョー・ジラルディ監督は「昨季はサンチェスが捕手の日も田中はよかった」と反論していますが、キャッチャーとの相性は好不調に関係あると思いますか?

注:今季はサンチェスが捕手の際は18回3分の1で防御率12.27、ロマインが捕手の場合は36回3分の2で防御率2.21

「それは重要な要素だと考えている。守備面ではロマインのほうが遥かに優れていて、リードもうまく、捕球技術も上回っている。ディフェンスに限って言えば、サンチェスは肩以外の多くの面で劣っている。それが投手の投球内容に影響していることはまったく驚きではない。守備の優れた捕手は二流の投手をいい投手に見せ、二流の捕手は好投手を二流に見せてしまう。キャッチャーというのはそれほど大きな違いを生み出すものだ」

──田中が完全復調するかどうかは、ヤンキースのトレード期限までの補強にも影響を及ぼすと思いますか?

「それは間違いない。ここまでヤンキースは予想外に順調にきているが、今季中に真剣に優勝争いを目指すと考えたとき、物足りない部分があるとすればやはり先発投手陣だ。田中が好調だとしてもまだコマ不足。田中が不安定だった場合に、補強の必要性はより高くなる。今後しばらく、フロントの人間は田中の投球内容を注意深く見守ることだろう」

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