14億円より息子同伴、まさかの世界一弾...。メジャーリーガーの引退劇 (5ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 もうひとつは、39歳になった今シーズンです。2014年のオフにレスターがFAでカブスと6年契約を結ぶと、ロスもついていくように移籍。そして今シーズン、50試合で先発マスクを被ると、メジャートップとなる捕手防御率2.39を記録したのです。また、5個のピックオフプレー(捕手から一塁に牽制死させること)をマークし、プレーオフでも大事な場面で相手ランナーの二盗を防ぐ活躍を見せました。

 そして、ワールドシリーズ第7戦。クリーブランド・インディアンスが誇る中継ぎのアンドリュー・ミラーと対峙したロスは、なんとセンターオーバーの特大ホームランを放ったのです。試合後、本人は「第7戦でホームランを打って引退するなんて起こりえない。まるでルディのようだ」とコメント。ルディとは、実話をもとにしたアメリカの人気スポーツ映画『ルディ/涙のウイニング・ラン』の主人公のことで、感動的なフィナーレとなった映画と重ね合わせて表現していました。

 第7戦でホームランを放ち、108年ぶりの世界一に貢献して引退――。メジャー15年間での通算成績は打率.229・106本塁打・314打点と、ずば抜けた数字を残したわけではありませんが、ある意味、オルティスとは違う最高の花道を飾ったと言えるのではないでしょうか。

 最後は、シカゴ・ホワイトソックスのアダム・ラローシュに触れておきましょう。ラローシュは今年3月のキャンプ中に、今年の年俸1300万ドル(約14億7000万円)を残して現役を引退しました。

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