MLB後半戦、エース田中将大が直面する「2つのハードル」 (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 コントロールの面で前半戦を振り返ると、1試合での平均フォアボール数1.69個はア・リーグ3位。フォアボール1個に対し、4.23個の奪三振数はア・リーグ8位。安定した制球力を維持しながらも、奪三振の割合が低いわけではありません。また、1試合で投げる球数も減少傾向で、1イニング平均14.72球はア・リーグ4位。剛速球で三振を次々と奪う派手さはないものの、今シーズン前半の田中投手はいずれもリーグ上位の好成績を残しているのです。

 そして迎える後半戦。田中投手はヤンキース入団3年目にして、初のフルシーズンに挑みます。2014年のメジャー1年目は右ひじのじん帯部分断裂によるリハビリで、シーズン後半戦の大半を棒に振りました。2015年はケガで出遅れて5月に1ヶ月ほど休養し、シーズン投球回数も150イニングほど。3年目の今シーズンは、はたしてフルシーズンを投げることができるのでしょうか。

 それを田中投手が達成するためには、乗り越 えるべき「2つの課題」が挙げられます。まずひとつは、「中4日での先発登板」です。前半戦のデータを見ると、中4日で先発した8試合は1勝2敗・防御率 5.33だったのに対し、中5日で先発した7試合は4勝0敗・防御率1.05。まるで別人のように成績が違っていました。

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