イチローだけじゃない。ボンズ効果でマーリンズ打線が大暴れ (4ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by Getty Images

 しかし、そこからマーリンズは予想外の復活を遂げていくのです。4月30日のミルウォーキー・ブルワーズ戦、新しい1番バッターに26歳のデレク・ディートリックを起用すると、初回の初球で先頭打者ホームラン。さらに5月3日のアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦、今度はJ.T.リアルミュートというキャッチャーを1番に据え、球団史上初の「1番・捕手」がバッターボックスに立つと、これも大当たり。いきなりヒットを放ち、次の試合でも4打数3安打と結果を出してチームの勝利に貢献しました。

 そして極めつけは、ご存知イチロー選手です。5月21日から1番として起用され、3試合で13打数10安打。驚異的な固め打ちを見せ、メジャーを大いに沸かせました。

 マーリンズの打線は、そのほかの選手も軒並み好調です。マーセル・オズナは4月21日から今季メジャー最長の36試合連続出塁を記録し、6月1日現在打率.328でナ・リーグ4位。マーティン・プラドも打率.323で7位につけており、クリスチャン・イエリッチも出塁率.411で9位と、多くの選手が打撃成績で上位に食い込んでいるのです。

 これらの功績は、今シーズンから打撃コーチに就任したバリー・ボンズの手腕が大きいと思います。現役引退後はしばらく球界から離れていましたが、2014年の出場停止処分中に直接指導を受けたアレックス・ロドリゲスが復帰1年目で30本塁打を記録するなど、ボンズの指導力は高く評価されているのです。ドン・マッティングリー監督が招聘した効果が、早くも表れています。

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