イチローだけじゃない。ボンズ効果でマーリンズ打線が大暴れ (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu  photo by Getty Images

 スタートダッシュを決めたフィリーズを語るうえで欠かせないのは、大ブレイクした若い「剛腕トリオ」の存在でしょう。ビンス・ベラスケス、23歳。アーロン・ノラ、22歳。ジェラッド・アイコフ、25歳。日本ではあまり知られていない選手たちです。

 ベラスケスは昨年12月、ヒューストン・アストロズからトレードで移籍してきました。4月14日のサンディエゴ・パドレス戦、ベラスケスは自身初の完封勝利を挙げたのですが、その内容が圧巻でした。ヒットをわずか3本に抑え、しかも無四球で奪った三振は16個。「16奪三振・無四球」という記録は、メジャー史上6人目の快挙です。

 一方のノラは、2014年のドラフト1巡目・全体7位の高順位で入団したフィリーズ期待の有望株。今シーズンは防御率2.88と安定したピッチングを披露しています。そしてアイコフは、昨年7月にエースのハメルズとの交換で獲得した本格派。彼も予想より早く、先発ローテーションの一員に食い込みました。つまり彼らは、周囲が思っていたよりも早く才能が開花したのです。

 かつてフィリーズの黄金時代には、「フォーエース」と呼ばれる先発4人がいました。ロイ・ハラデイ、コール・ハメルズ、クリフ・リー、そしてロイ・オズワルト――。今シーズン誕生した剛腕トリオは、いずれ「スリーエース」と呼ばれるようになるかもしれません。

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